鍼灸師に特化した医学英語教育と、東洋医学の概念を外国人患者へ伝えるための教育モデルを報告
株式会社Therapist English(本社:大阪府大阪市、代表取締役:宮口一誠)は、2026年7月11日(土)・12日(日)に関西医科大学で開催された「第29回 日本医学英語教育学会学術集会」において、代表取締役の宮口一誠が、鍼灸師に特化した医学英語教育に関する研究発表を行ったことをお知らせいたします。
今回の発表では、一般的な医学英語教育では十分に扱われてこなかった、鍼灸師やあん摩マッサージ師などの治療家が臨床現場で必要とする英語に焦点を当てました。
特に、「気」「経絡」「響き」など、東洋医学特有の概念を、異なる文化的背景を持つ外国人患者に対して、どのように分かりやすく、安全かつ安心感のある英語で伝えるかについて報告しました。

発表概要
演題名
Personalizing EMP for Acupuncturists: Bridging the Gap in Communicating Eastern Medical Concepts to Cross-Cultural Patients
日本語訳
鍼灸師のための医学英語教育の個別化
―異文化を背景とする患者への東洋医学概念の説明における課題を埋める―
発表者
宮口 一誠
株式会社Therapist English/関西医科大学大学院医学研究科 博士課程
主な発表内容
- 鍼灸師が臨床現場で必要とする英語学習ニーズ
- 一般的な医学英語教育と、鍼灸臨床で求められる英語とのギャップ
- 「気」「経絡」「響き」などの東洋医学概念を英語で説明する方法
- 外国人患者の不安を軽減し、安全性と信頼関係を高めるコミュニケーション
- マンツーマンレッスンと臨床ロールプレイを組み合わせた教育プログラムの成果
- 鍼灸師や治療家の専門領域に合わせて医学英語教育を個別化する必要性
西洋医学中心の医学英語教育から、専門職ごとの英語教育へ
現在提供されている医学英語教育の多くは、病院での診察、手術、薬剤、検査など、西洋医学を中心とした内容で構成されています。
一方、鍼灸師をはじめとする治療家は、外国人患者への問診や施術説明だけでなく、東洋医学特有の考え方や身体観、鍼を受けた際の感覚などを説明する必要があります。
例えば、鍼治療中に生じる「重だるい感覚」や「響く感覚」を患者が予期していなければ、不安や恐怖につながる可能性があります。
そのため、単に医学用語を英訳するだけではなく、患者が理解しやすい日常的な英語へ置き換える「文化的翻訳」が重要となります。
今回の発表では、こうした鍼灸臨床特有の課題を踏まえ、専門職ごとのニーズに合わせたEnglish for Medical Purposes、いわゆるEMP教育の必要性を提示しました。
宮口一誠 コメント
鍼灸師に必要なのは、病院で使われる医学英語をそのまま学ぶことだけではありません。
目の前の患者さんに対して、なぜ舌を見るのか、鍼を刺したときにどのような感覚が起こるのか、施術後にどのような反応が考えられるのかを、安心できる言葉で説明する力が必要です。
日本の鍼灸や治療技術には、世界の患者さんに届ける価値があると考えています。しかし、技術があっても、その意図や安全性を伝えられなければ、患者さんの安心や信頼にはつながりません。
今回の発表を通して、医学英語教育は西洋医学の領域だけにとどまらず、鍼灸、リハビリテーション、スポーツ医療、徒手療法など、それぞれの専門職に合わせて発展していく必要があることをお伝えしました。
今後も研究と教育実践の両面から、日本の治療家が言語の壁を越えて活躍できる環境づくりに取り組んでまいります

今後の展望
株式会社Therapist Englishでは、今回の研究発表を今後の教育プログラム開発に反映し、鍼灸師、理学療法士、柔道整復師、アスレティックトレーナー、整体師など、各専門職の臨床業務に即した医学英語教育をさらに充実させてまいります。
また、外国人患者への対応力向上を目的とした、治療院・医療機関・教育機関向けの研修やカリキュラム開発にも取り組みます。
今後も、英語を単なる語学として教えるのではなく、患者の安全を守り、不安を減らし、施術者との信頼関係を築くための臨床コミュニケーションとして提供してまいります。
学術集会概要
学術集会名
第29回 日本医学英語教育学会学術集会
29th Japan Society for Medical English Education Conference
テーマ
Toward an EMP Model Core Curriculum
—Balancing Standardization and Personalization—
医学英語教育モデル・コア・カリキュラムに向けて
―標準化と個別化の調和を目指して―
開催日
2026年7月11日(土)~7月12日(日)
会場
関西医科大学 医学部
大会長
Raoul Breugelmans
関西医科大学
副大会長
Eric H. Jego
日本大学医学部

